静岡県駿東郡小山町と神奈川県南足柄市にまたがる足柄峠は、岩本能史さんの書籍で名高い峠走のメッカです。標高は759m、山頂付近の最大斜度は15%です。
JR山北駅に隣接する山北町健康福祉センター内の「さくらの湯」を起点に万葉公園で折り返すベーシックな足柄峠コースをご紹介します。
距離はおおよそ片道12km、往復約24kmです。
この記事を書いている私は、フルマラソンデビュー後9年間、サブ4を継続しています。
岩本能史さんの書籍で峠走を知ってトレーニングに組み入れ、2012年にサブ3.5を達成しました。
マラソンのパフォーマンスをアップさせる山北の足柄峠走
岩本能史さんの書籍によると、峠走は上りで心肺機能と推進力、下りで着地筋とフォームの4つを一度に鍛えられる効率的なトレーニングです。
峠走の拠点のランニングステーション「さくらの湯」
JR御殿場線の山北駅。
SUICAが使えないので、山北までの切符を買って乗車する必要があります。
電車を降りるときに車掌さんに切符を渡します。
切符の自販機もありません。
帰りの電車の時刻が遅いときは、窓口で切符を買っておきます。
駅に着くと、線路の向こうに「山北町健康福祉センター さくらの湯」と書いた建物が見えます。
ひとつしかない改札を出て右へ。
観光案内の右脇の歩道橋で線路を渡ります。
さくらの湯のピンクの看板があります。
さくらの湯は山北駅から徒歩2分ほどの山北町健康福祉センターの3階にあります。
定休日は木曜日(祝日の場合は翌日)と12月28日〜1月4日。
利用時間は午前10時30分〜午後9時(最終入場は午後8時30分まで)。
料金は2時間まで400円、6時間まで700円です。
施設2階のコインロッカー(200円)を使用する場合は2時間400円で、さくらの湯で着替えて荷物を預けてスタートする場合は6時間700円で利用します。
さくらの湯が定休日でも施設は8時30分から空いていますので、コインロッカーやトイレ、自販機は使えます。
24時間利用可能なロッカー(300円)も1階の東側にあります。
さくらの湯ではランナーを応援してくれていて、足柄峠5往復で次回2時間400円の入浴が無料になるポイントカードを2017年11月から発行してくれています。
私は2回、無料サービスを受けて、いま赤カード。
あと1回で、3回目の無料入浴GETです。
足柄峠(山北〜万葉公園)コース案内
さくらの湯を拠点に峠走をスタートします。
スタートして2kmくらいにコンビニがありますが、その先に自販機は3か所くらいしかないので、給水ボトルを用意した方がいいかもしれません。
私は6km手前の集会所近くの自販機と、山頂の足柄万葉公園を数百m通り過ぎたところにある自販機を利用しています。どちらのポイントにもトイレもあります。
スタート地点・さくらの湯〜2km・コンビニ
健康福祉センターを出て右に進みます。
JRの線路沿いの左側、緩やかな上り道を走っていきます。
左側は舗装していないプチトレイルになるので、途中で線路の右側に渡ります。
突き当たりを左折します。
そのまま200mほど道なりに進んでいくと、左下に降りる分岐点があるので、洒水の滝方面に進みます。
橋を渡ってまっすぐ進みます。
スタートして2㎞ほどで、ファミリーマートが左側にあります。
峠走のコース唯一のコンビニです。
2km・コンビニ〜6km・集会所
コンビニから上りがはじまります。道なりに進みます。
北足柄小学校入口の信号を過ぎると、
右に曲がる分岐が出てきます。自販機が目印です。
ここが上りでいちばん間違いやすいポイントです。
自転車のふたり連れもいったん行きすぎて戻ってきました。
スタートから6km弱で、右側に集会所が見えます。道路の左側に自販機があります。
「クマ出没注意」の貼り紙!
公民館の奥にトイレがあります。
6km・集会所〜9km・地蔵堂付近
集会所から少し進むとT字路で突き当たりますので、「地蔵堂」と書かれた右方面へ。
また上りが始まります。少し傾斜がきつくなります。
静岡県境まで6.6km。
「直売所」の旗のところまでいくと、いよいよ山道が始まる雰囲気です。
標識に「御殿場 足柄峠」と書かれています。
78号線をひたすら上ります。
緩やかなアップダウンの後、8km地点に地蔵堂トンネルがあります。
左折すると「夕日の滝 地蔵堂」という標識が見えてきます。
「御殿場 小山」方面へ直進します。
標識のすぐ先に、足柄万葉公園まで残り3.5㎞の看板。
9km・地蔵堂付近〜11km・見晴台
傾斜がさらにキツくなり、ここからが本当の勝負です。右を見るとお茶畑。
その先に「相の川橋」のバス停。この先の急カーブから、本格的な山道に入ります。写真の右端にヘアピンカーブを行く車が見えます。
ここから、斜度10%以上のヘアピンカーブの連続です。
天気がいいと、美しい景色を堪能できます。
「足柄古道」のトレイルルートも。
機会があったら熊に気をつけながら通ってみたいものです。
道なりにひたすら上ります。木々の色合いがきれい。
見晴台バス停手前のきついヘアピンカーブ。歩きそうなくらいの厳しい傾斜です。
カーブをふたつ曲がったら、見晴台バス停があります。
11km・見晴台〜12km・足柄万葉公園
ここから足柄万葉公園まで残り1kmくらい。この1kmが長い!
急な坂道が続き、傾斜はかなりきつくなっています。
万葉広場入口の標識。もうちょっと!
コース上の最大斜度は15%。足柄万葉公園の直前です。
激坂をクリアして、足柄万葉公園に到着。
運がいいと、富士山がくっきり見えます。
おまけ:12km・足柄万葉公園〜13km・足柄城址
自販機&トイレを求めて進みます。100mほど先が静岡県との県境。
金太郎が迎えてくれます。
アップダウンを過ぎると、足柄万葉公園から500mほどで右側にトイレ出現。
少し先に自動販売機もあり、ベンチやテーブルもあります。ドリンクの価格は高めです。
向かいに足柄峠の標識があります。
写真撮影スポットも。
少し先に進むと、熊にまたがり、まさかり担いだ金太郎像が。
さらに脚をのばしてみました。足柄万葉公園から600mほどです。
T字路に大きな地図があります。
その向かい側に足柄城址の石碑があって、階段を登っていけます。
上に着くと石碑越しに富士山が出迎えてくれます。
さらに奥に進むと、ドーンと開けた富士山絶景ビューポイントが出現!
富士山の裾野が広がり、御殿場の街並みが見渡せました。
13km・足柄城址〜ゴール地点・さくらの湯
景色を満喫したあとは、山北に向けて折り返します。
「またのおこしを」と、金太郎と熊が見送ってくれます。
足柄万葉公園を過ぎ、下りは軽快に飛ばします。
下り1km地点の見晴台バス停。
交通量は多くないけど、ときどき車やバイクが通るので、見通しの悪いカーブなど、気をつけて走ります。
地蔵堂トンネルで、傾斜が少し落ち着きます。
「直売所」の下り坂の先にT字路の左折ポイントがあるので、標識を見落とさないように注意。
T字路を左折して山北方面へ。あとは道なりにずっと下っていきます。
今回は10kmレースの計測をしていたので、ファミリーマートを過ぎた地点でいったんガーミンをストップしました。
平均心拍数175、最大199。追い込みました。
ガーミンの計測では高度は739mでした。
さくらの湯から足柄万葉公園までトータル往復24km。
上り1時間30分、下り1時間弱、合計2時間27分でした。
走り終わったら、温泉とサウナでマッサージ&温冷浴をして、疲れを癒します。
まとめ
峠走でサブ3.5を達成してから、大事なレースの3か月前から峠走5回というのが目標になりました。峠走を5回こなしたから大丈夫と、精神面でも余裕ができます。
私にとっては峠走は有効なトレーニングで、平地では出せないスピードで下りは飛ばしますが、脚が痛くなって故障する人もいるので、初回は無理せず、自分のペースで試してみることをお勧めします。
たいていひとりで走りますが、車の通行が少ないので、ときどき危ないかなと心配になり、「もし、車が停車して人が降りてきたら、道から外れてここを降りよう」などと頭の中でシュミレーションするときもあります。
特に暗い時間帯は怖いなと思うときがあります。走り始める時間が遅くならないようにしましょう。
とはいえ、応援してくださる地元の方がいて心強いこともあるし、これまで何十回も走っていて「暑い、寒い」で苦労することはあっても危険な目に遭ったことはありません。
でも、心配な人は友人を誘って走りましょう。