サブ4を目標とするフルマラソン1週間前の必勝法と本番の走り方を知りたい方へ。
「がんばってきた練習の成果を形にしたい」「レース1週間前の効果的な準備方法ってあるのかな」「当日に心がけることは?」と心配になっていませんか。
本記事ではサブ4達成に向けた準備や当日の心得を解説します。
この記事を書いている私は、金哲彦さんの書籍『金哲彦のマラソン練習法がわかる本』(実業之日本社)のメニューに沿って3か月のトレーニングを積みました。
そして、2011年に47歳で初フルマラソンに挑戦し、サブ4を実現しました。
サブ4目標のフルマラソン1週間前に準備すること
レースの1週間前になれば、あとはもう体力を十分に回復させ、最高のコンディションで当日を迎えるだけです。
走るエネルギー源となるグリコーゲンをカーボローディングで体内に蓄えつつ、体重をきちんとコントロールしましょう。
準備は前日のうちにを終え、ペース配分を考えてスプリットタイム表と補給表を作って実際のレースでトレースします。
どんなハプニングが起こるかわかりませんが、『金哲彦のマラソン練習法がわかる本』のメニューに沿って、いままで積み上げてきたトレーニングが支えてくれます。自分を信じて楽しく走りましょう。
カーボローディングにチャレンジ
レースの数日前からトレーニングの強度を落とし、休養や軽いジョグで最後の疲労抜きをして体力を十分に回復させます。
私が参加した初フルマラソンのためのランニングクリニックでは、「直前期に走って疲れをためるよりは一切走らないほうがいい」と教わりました。
レース直前までハードなトレーニングを行うと、本番のパフォーマンスを低下させてしまいます。
ここで大敵なのが食欲です。トレーニングを積んでいるとお腹が空く体質になっているはずです。たくさん食べても練習量が多いうちはいいのですが、練習量が減るとカロリーが蓄積されてしまいます。
「1kg減らせば3分速くなる」と言われるように、体が重くなると走りにくいので、きちんとコントロールするようにしましょう。
レース1週間前から、走るためのエネルギー源となるグリコーゲンを体内に蓄えるために、カーボローディングを行います。最初の3日間は炭水化物を減らし、後半からレース当日まではパスタやうどんなどの麺類や、ごはん、パン、お餅などを多く摂ります。
炭水化物を増やすほうは簡単ですが、減らして何を食べればいいのか具体的にイメージしにくいかもしれません。肉や魚、野菜など、おかず中心の食事にすればいいだけです。といっても、野菜のなかにはジャガイモのように炭水化物たっぷりのものもあるので気をつけましょう。
レース前日から、生もの、消化の悪いもの、食べ慣れないものなどは控えます。
私の勝負飯は鰻! 最初のフルマラソン前日から、鰻を食べるのがジンクスのようになっています。
ビールなどのアルコールやカフェインはレース後まで我慢します。
スプリットタイム表と補給表を作る
サブ4を達成するためのペース配分を考え、スプリットタイム表を作りましょう。最初から最後まで5’40”のイーブンペースでいければいいですが、なかなかそうはいかないもの。
私は初フル前に、後半に少しペースダウンしてもサブ4を達成できるプランをジョギング教室のコーチからメールでいただきました。
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【湘南マラソンサブ4ペース配分】
- 5キロ:27分(キロ5分24秒)
- 10キロ:54分(キロ5分24秒)
- 15キロ:1時間21分00秒(キロ5分24秒)
- 20キロ:1時間48分00秒(キロ5分24秒)
- ハーフ:1時間54分05秒(キロ5分24秒)
- 25キロ:2時間15分00秒(キロ5分24秒)
- 30キロ:2時間42分30秒(キロ5分30秒)
- 35キロ:3時間12分30秒(キロ6分00秒)
- 40キロ:3時間45分00秒(キロ6分30秒)
- ゴール:3時間59分40秒(キロ6分45秒)
おそらく、ここまでペースダウンしないと思いますので、3時間50分~55分くらいは狙えるのではと思っています。ずばり、ゴール予想は、3時間52分!!
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このペース表がレース中に励みになり、結果として、予想タイムに近い3時間51分27秒でゴールできました。
5キロごとのペース配分表に、補給リストを加えることをお勧めします。
15km地点で顆粒のアミノバイタル、30km地点でアルミパックのエネルギーゼリーなど、補給するものを決めて、頭に叩き込んでおきます。
前日に準備を終える
持ち物の準備は、できれば前日の早い時間に終えておくと安心です。持ち物リストを作ってチェックし、忘れないようにしましょう。両肩で均等に背負えるので、リュックがお勧めです。
ゼッケンなどは、多少着にくいけれど、あらかじめウエアにつけておきます。私は記録計測用のチップもレース用のシューズにつけておきます。
足の痛みなどの不安要素がある場合、「大丈夫!」と信じましょう。ジタバタしても、もうどうにもなりません。
練習は裏切らない! レース本番の走り方
レース前の心得
レースの朝はカーボローディングの仕上げとして、お餅やおにぎりなどの消化のよいものをスタート時刻の4時間ほど前に食べます。エネルギーゼリーやバナナを持参し、移動途中やレース会場などで補給します。
レース会場のトイレの列は予想以上です。並んだ列の運が悪いと、まるで進まないこともあります。30分くらい並ぶ気持ちで、早めに行動しましょう。
トイレをクリアしたと思ったら、荷物預けに異様に時間がかかる大会もあります。
できればスタートの30分前には整列し、エネルギーゼリーを食べて待ちます。大概のレースでは、スタートラインまでにゴミを捨てるチャンスがありますし、なければ最初の給水所で捨てましょう。
「温存温存」と唱えながら走る
フルマラソンでサブ4を達成するには、1キロを5分40秒のペースで走る必要がありますが、最初からペースを上げないことが大切です。
たいていの場合、ペースをあげようとしても、スタート直後はランナーがあまりに多くて思うように走れないことがほとんどです。そのときに、少しでも前に出ようと慌ててジグザグに走ると体力を消耗してしまいます。
サブ4を狙っていても、最初の5kmで30分近くかかっても大丈夫です。むしろ、最初にグッと抑えられると、あとで効いてきますので、いまはゆっくりでも大丈夫、と自分に言い聞かせて走りましょう。
金哲彦さんの書籍に「10kmはウォーミングアップ、30kmまでは脚で、40kmまでは腕で、残りは気力で」と書いてあります。10kmラップが予定通りだったら、それ以上ペースアップしないように、「温存、温存」と唱えながら走ってください。
金さんによれば、「32kmまで思い通りのレースができていれば、そのレースは成功」だそうです。オーバーペースだと、後半まで脚がもたずにスピードダウンしてしまいます。
私はもともと脚が遅いので、最初に速いペースで飛ばしておく、という技ができないことが、かえってサブ4に繋がっている気がします。
35kmを超えたら筋肉をストレッチすると効果的だという方もいますが、急に違う動きをすると脚が攣ることもありますので、状況に応じた判断が必要です。
私は走り終わった後に靴を脱ごうとした動きで脚が攣ったことがあり、そのあまりの痛さに、レース中のストレッチは怖くてしなくなりました。
しっかり給水、補給する
喉が乾いていなくても各エイドステーションごとに必ず給水しましょう。水ではなく、塩分が摂れるスポーツドリンクがお勧めです。
混んでいると「ここの給水所は抜かしちゃおうかな」と思いますが、そこでスピードダウンして給水することが脱水や塩分不足を防ぎ、結果的にはいい結果をもたらします。急がば回れ、です。
アミノバイタルなどのアミノ酸サプリやブドウ糖のタブレット、塩飴なども利用しましょう。
20km以降はスタミナ切れを防止するために、エネルギーゼリーを補給します。
私は最初のレースのときは顆粒のアミノバイタルをいくつか摂りましたが、むせてしまったので、それからはエネルギーゼリーを携行し、最後はカフェイン入りのジェルを摂るようにしています。
いつもギリギリの状態で走っているので、大会のエイドを食べたことがないのが残念なのですが、エイドを楽しむ余裕があればぜひ、いろいろと食べてみたいものです。
そして、最後に大切なのはなんといっても気持ちです。「辛い」「もうやめちゃおうかな」という気持ちが芽生えたときに、負けないでください。
レースは、その日走ったレースの時間分ではなく、レースのトレーニングの100日分の成果を発揮する舞台です。
なぜサブ4を達成したいと思ったのか。最初に決心したときの気持ちを思い起こしてください。
「あんなにがんばったんだから、ここで挫けたらもったいない」「あと1時間で、3か月のトレーニングが報われる! 絶対できる!」と前向きに考え、自己暗示をかけて、走り抜けてください!
まとめ
サブ4のコツは諦めずに走る続けることだと思います。どんなに脚が速いランナーでも、歩けばサブ4を達成できません。
地道に走っていれば、「ウサギとカメ」の童話のように、立ち止まってしまったランナーを追い越すことができます。といっても、サブ4のペースはカメというほどゆっくりしたものではありません。
日々のトレーニングで身体能力を向上させ、コンディションを保ち、努力してきた結果を出しましょう! 「ゴールは絶対やってくる」などと背中に書かれたTシャツの文字に力をもらったりします。
強い目的意識があれば絶対に達成できます。「大丈夫、絶対できる」と信じて最後まで諦めないことが大切です。