世界6大マラソン大会の新型コロナウイルスへの対応【まとめ】

ボストンアスレチック協会からのメール 世界6大マラソン
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新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックにより、世界6大マラソン大会のうち、エリートのみで3月1日に一部開催された東京を除き、ボストン、ベルリン、シカゴ、ニューヨークシティマラソンの中止が決まりました。

4月26日から10月4日に開催が延期されたロンドンマラソンは、8月7日までに最終決定すると発表しています。

各大会の新型コロナウイルスへの対応を振り返ります。

この記事を書いている私は、2020年から世界6大マラソン大会への参加を目指そうと思い立ち、今年はボストンとシカゴにエントリーしましたが、どちらも実地開催は中止と決まりました。

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新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックへの対応

ボストンアスレチック協会からのメール

3月1日開催だったため、世界6大マラソン大会のうちで最も新型コロナウイルスの影響を受けなかった東京マラソンは、200人のエリートランナーだけで一部開催しました。一般ランナーへの払い戻しはありませんでしたが、2年先まで出走権を延期できます(参加料が必要)。

ボストンマラソンとロンドンマラソンは延期日程を発表し、参加料の全額払い戻しを決めました。ボストンはその後、実地開催を断念し、バーチャルレースを開催することに。ロンドンは延期された日程での開催可否を検討中です。

ニューヨークシティマラソンは開催を中止し、参加料を全額払い戻し、バーチャルレースを開催します。シカゴマラソンも開催を中止し、参加料を全額払い戻し、バーチャルレースの開催を検討中です。延期が検討されていたベルリンマラソンは中止になりました。

ロンドン、ベルリン、シカゴ、ニューヨークシティマラソンのいずれも、参加料の払い戻しではなく出走権の延期を選ぶこともできます。その場合、ロンドンマラソンのみ、参加料が別途必要です。

ちなみに、世界6大マラソン大会以外では、4月5日から10月18日に延期されたパリマラソンは、さらに11月15日に延期すると、7月6日に発表されました。

第8回ベトナム・ダナン国際マラソン2020は8月8日に開催される予定だそうです(フル2,500人の他、ハーフ、10K、5Kの全種目定員合計1万2,000人)。

7月上旬以降にエントリー開始と案内していたホノルルマラソンは、8月上旬以降の受付開始で日程を調整中です(7月16日現在)。

東京マラソン《レース日:3月1日→エリートレースのみ開催》

東京マラソンは3万8000人の一般ランナーなしで、200人のエリートランナーのみで開催されました。一般ランナーの参加料は返金されず、2021・2022大会のどちらかに有料参加できます。

  • 2019年8月1日:一般エントリー受付開始
  • 2019年8月30日:一般エントリー締め切り
  • 2019年9月20日:当落通知
  • 2020年1月31日:WHOの緊急事態宣言を受け、「状況を注視しながら開催準備を進める」と情報発信
  • 2020年2月6日:日本政府の入国制限を受ける中国在住ランナーへ2021大会への出走権(参加料が必要)
  • 2020年2月10日:希望するランナーへのマスク配布など、新型コロナウイルスによる感染症対策を発表
  • 2020年2月14日:入国制限に伴い、中国在住ランナーへ2020大会への参加自粛を要請。2021大会の参加料免除
  • 2020年2月17日:3 月1日開催予定の第14回東京マラソンは<マラソンエリート・車いすエリートの部>のみ開催と決定
  • 2020年2月18日:記念品を2020年4月1日以降に順次発送と告知
  • 2020年2月20日:中国在住ランナーへの2021大会参加料免除を取り消し、全参加者から参加料の入金が必要と変更
  • 2020年3月1日:東京マラソン2020<マラソンエリート・車いすエリートの部>開催
  • 2020年4月17日:2021大会はチャリティランナーの新規募集中止と決定
  • 2020年4月17日:出走権利移行大会(2021年か2022年)を5月中旬に選択するよう要請
  • 2020年5月15日:出走権利移行大会の選択を5月中旬から7月中に変更
  • 2020年6月30日:2021大会の実施内容等を8月中目途に検討と発表
  • 2020年7月3日:2021大会のチャリティの寄付金受付開始(3月31日まで)。チャリティランナー募集はなし
  • 2020年7月17日:出走権利移行希望大会をアンケートで聞く方式に変更(回答期間は7月31日まで)
  • 2021年3月7日:東京マラソン2021開催予定

世界6大マラソンのうち、一部のみでも実地開催できた唯一のレースです。

東京五輪の代表選考会となった第14回大会は、日本記録保持者の大迫傑さんが自らの持つ日本記録を21秒更新する2時間5分29秒の4位でフィニッシュ。オリンピック男子マラソン代表選考において優位に立ち、後日のレース結果により確実なものにしました。

新型コロナウイルス感染症の拡大という前代未聞の事態が発生し、めまぐるしい状況変化により、対応に揺れが生じました。

  • 2021・2022大会のいずれかに有料参加
  • 募集要項のエントリー規約に基づき、参加料及びチャリティ寄付金は返金せず
  • 記念品(ナンバーカード・大会ロゴ入り計測チップ・ランナーローブ・アルミシート・2020大会公式プログラム)を 4月1日以降に順次発送。2020大会の完走メダルは、2021大会の完走時にふたつ贈呈
  • Tシャツ購入者には大会終了後にTシャツを発送

ボストンマラソン《レース日:4月20日→9月14日に延期→実地開催は中止、バーチャルレース開催》

ボストンマラソンは4月20日から9月14日に延期されましたが、実地開催は中止となり、9月7日〜14日にバーチャルレースを開催することになりました。3万1,500人のランナーには参加料が全額払い戻されました。

  • 2019年9月9日:エントリー受付開始
  • 2019年9月18日:エントリー登録終了
  • 2019年9月25日:予選通過者発表(9/9以降、順次)
  • 2020年3月10日:チャーリーベイカー知事が緊急事態を宣言
  • 2020年3月13日:4月20日に開催予定の第124回ボストンマラソンを2020年9月14日に延期
  • 2020年4月1日:ボストンマラソン、BAA5Kの公式参加者に、BAAが初めて返金オプションを提供
  • 2020年4月23日〜5月29日:参加料の全額払い戻し手続き期間
  • 2020年5月28日:9月14日開催予定の第124回ボストンマラソンの中止を決定、9月の第2週を通して仮想イベントとして開催されることを発表
  • 2020年6月10日:ボストンマラソン参加費の払い戻し方法をメールで送信
  • 2020年6月11日:BAA 5K参加費の払い戻し方法をメールで送信
  • 2020年7月6日まで:参加費の払い戻し(255USドル)
  • 2020年7月7日:第124回ボストンマラソンバーチャルレースの登録開始
  • 2020年9月7日〜14日:第124回ボストンマラソンバーチャルレース期間
  • 2020年9月末:2021大会エントリー受付開始予定
  • 2021年4月19日:ボストンマラソン2021開催予定

史上初の中止を決定した5月28日から1か月ほど、ボストンマラソンバーチャルレース登録開始日前日の7月6日に参加費が払い戻され、口座に入金されていました。

バーチャルレースの参加料や送料を含んだ登録費用は50ドルです。先着1万5,000人の登録者にプレレースパッケージ、完走者にポストレースパッケージが贈られます。

ボストンアスレチック協会からの最新メール
ボストンアスレチック協会からの7/31のメール
  • 参加料の全額返金(2021年4月の状況が不明なため、2021大会に無料参加のオプションは提供せず、全額返金)
  • バーチャルレース完走者にポストレースパッケージ(参加Tシャツ、フィニッシャーメダル、公式プログラム、ゼッケン、ボトルオープナー、その他のお祝いアイテムなど)など

ロンドンマラソン《レース日:4月26日→10月4日に延期→8月7日に最終判断》

ロンドンマラソンは4月26日から10月4日に延期され、8月7日の最終判断を待っています。延期した日程に参加できない人には全額払い戻されます。2021大会への有料参加も選択できます。

  • 2019年4月29日:エントリー受付開始
  • 2019年5月3日:エントリー締め切り
  • 2019年10月1日〜31日:当落通知
  • 2020年3月3日:COVID-19の蔓延に関連する動向について公式声明
  • 2020年3月13日:4月26日に開催予定の第40回ロンドンマラソンを2020年10月4日に延期
  • 2020年4月26日: 「2020大会はエリートランナーのみの出場に制限する可能性がある」とレースディレクターが言及(「10個のシナリオ」のうちの一つにすぎないとも)
  • 2020年6月19日: 9月のハーフマラソン「グレートノースラン」の中止発表を受け、ロンドンマラソン開催が危ぶまれるなか、「ソーシャルディスタンスを保つ革新的な方法を考えている」とレースディレクターが開催に自信を示す
  • 2020年7月27日:開催の最終決定を2020年8月7日に延期と表明
  • 2021年4月25日: ロンドンマラソン2021開催予定

10月4日の開催について、レースディレクターは6月に「私たちは希望を捨てません」と述べました。第40回大会に向けて強い意志を感じます。

  • 延期日程では参加できないランナーは、参加料の全額返金、寄付、2021年大会に有料参加のいずれかを4月26日までに選択

ベルリンマラソン《レース日:9月27日→10月以降の延期検討→開催中止》

ベルリンマラソンは9月27日から10月以降の延期が検討されていましたが、6月24日に中止が発表されました。参加料の払い戻しか、2021大会への無料参加のいずれかを選べます。

  • 2019年10月1日:一般・エリートエントリー受付開始
  • 2019年10月31日:一般・エリートエントリー締め切り
  • 2019年11月27日〜12月3日:当落通知
  • 2020年4月17日:2020年4月15日に連邦政府の決定により、8月31日まで主要イベントが禁止
  • 2020年5月7日:ベルリン当局により、5,000人を超えるすべてのイベントが10月24日まで禁止。不可抗力(COVID-19)により2020大会は9月27日に開催されないと表明
  • 2020年5月27日:さまざまなオプションの実現可能性を模索中と表明
  • 2020年6月24日:9月27日に開催予定の第47回ベルリンマラソンの中止を決定、延期しないと発表
  • 2020年7月17日:85%のランナーが2021大会への無料参加を選択したと報告
  • 2021年9月26日:ベルリンマラソン2021開催予定

4万人を超える参加者の85%が来年大会への参加を選んだことに驚きました。ベルリンマラソンに魅力があることはもちろんですが、来年の春ではなく、秋のレースなので、状況が落ちついていると判断したランナーが多いと思われます。

  • 参加料の全額返金、2021大会への無料参加のいずれかを7月第2週までに選択。追加オプションサービスは返金

シカゴマラソン《レース日:10月11日→開催中止、バーチャルレース検討中》

シカゴマラソンは7月13日に中止が発表されました。参加料の払い戻しか、2021〜2023大会への無料参加のいずれかを選べます。ボストンのように、バーチャルでの開催を模索しているようです。

シカゴマラソン事務局からのメール
  • 2019年10月21日(10月28日):一般エントリー(エリート)受付開始
  • 2019年12月3日(12月10日):一般エントリー(エリート)締め切り
  • 2019年12月12日〜:当落通知
  • 2020年4月21日:新型コロナウイルス (COVID-19) について、レースディレクターからのメッセージをメール配信
  • 2020年5月5日:2020年のエントリーをキャンセルし、2021大会に参加できる機会を設置
  • 2020年6月9日:「現時点ではレースが進むかどうかを明確に述べることはできません。両方の結果に備えています」とメール配信
  • 2020年7月13日:10月11日開催予定の第43回シカゴマラソンの中止を発表
  • 2020年7月23日:シカゴマラソンとシカゴ5Kの参加費の払い戻し方法をメールで送信(プロセスには数週間〜数か月かかり、プロセス開始をメールで通知してから7〜10営業日以内に払い戻し)
  • 2021年10月10日:シカゴマラソン2021開催予定
シカゴマラソン キャンセルのオプション
シカゴ5K キャンセルのオプション

参加料を将来のイベント(2021・2022・2023年のいずれか)に繰り越した場合、イベント参加費や追加アイテムの代金が値上げされても差額を支払う必要はないそうです。

ボストンマラソンが「バーチャルボストンマラソン」を開催するように、シカゴマラソンもバーチャルレースを予定しているようです。その詳細は、今後数週間で共有されます。

  • 参加料の全額返金、2021・2022・2023大会のどれかひとつへの無料参加のいずれかを9月2日までに選択(選択しなかった場合は、自動的に全額返金)
  • バーチャルレース開催?

ニューヨークシティマラソン《レース日:11月1日→開催中止、バーチャルレース開催》

ニューヨークシティマラソンは6月24日に中止が発表されました。NYCマラソンは参加料の払い戻しか、2021〜2023大会への無料参加のいずれかを選べます。10月17日〜11月1日にバーチャルレースも開催されます。

  • 2020年1月30日(1月14日):一般エントリー(エリート)受付開始
  • 2020年2月13日(2月14日):一般エントリー(エリート)締め切り
  • 2020年2月26日(2月27日):一般エントリー(エリート)当落通知
  • 2020年6月24日:11月1日に開催予定の第50回ニューヨークシティマラソンの中止を発表
  • 2020年7月15日:参加費の払い戻し方法をメールで送信
  • 2020年7月15日〜8月15日:オプション選択期間(選択しなかった場合は、権利喪失)
  • 2020年8月25日〜8月29日:返金期間
  • 2020年10月17日〜11月1日:第3回TCSニューヨークシティマラソン–バーチャル26.2M開催
  • 2021年11月7日:ニューヨークシティマラソン2021開催予定

将来の大会の開催規模は今後数か月の間に決定され、2021大会のエントリー抽選があるかどうかが決まります。申し込み期間の日付は今年後半に発表されます。

2020バーチャルTCSニューヨークシティマラソン

バーチャルTCSニューヨークシティマラソンは、Stravaが運営するNYRR Volvo Virtual Racingの一部です。無料のStravaアカウントを作成し、レースにサインアップして、10月17日から11月1日の間の都合のよいときに42.195kmの仮想レースを完了します。

3年に1度開催されていて、無料〜675ドルの参加料を支払う4つの方法があります。

無料の場合、フィニッシャーはStravaデジタルフィニッシャーバッジを受け取ります。60ドル支払うと、完走メダルとランニングバフももらえます。両方とも定員はありません。

2021、2022、または2023年の無料参加の権利を手に入れられる2つの方法(参加料175ドル/参加料175ドル+募金500ドル)には定員があり、すでに完売しています。

  • 参加料の全額返金、寄付、2021・2022・2023大会のどれかひとつへの無料参加のいずれかを選択(選択しなかった場合は、権利喪失)
  • 60ドル支払ったバーチャルレース完走者に完走メダル、マラソンブランドのランニングバフ、Stravaデジタルフィニッシャーバッジなど

まとめ

世界6大マラソンは開催規模が大きいので、エントリー時期がそうとう早く、飛行機や宿泊なども早い段階で手配します。大会に向けて着々と準備していた世界中の多くの人々にとって、直前になって中止となってしまったことは本当に残念です。

東京マラソン以外の5大会で、本来の規定を超えて参加料返金のオプションが提供されました。今回は異例の措置をとってもらえましたが、来年以降はどうなるかわかりません。返金されないことを前提にエントリーする、返金保証のある大会を選ぶなど、キャンセルの可能性を考えて、エントリーする必要がありそうです。

ボストンマラソンとニューヨークシティマラソンはバーチャルレースを開催します。ボストンマラソンは元のレース参加予定者だけですが、ニューヨークシティマラソンは誰でも参加できます。シカゴマラソンもバーチャルレースの開催を模索しているようです。

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