厚底シューズは本番用? 練習用? 使い分けや買い替え時期

夫のランニングシューズ8足 ランニング全般
スポンサーリンク

ランナーにとって最も重要なアイテムはランニングシューズです。

「シューズはマラソンを快適に走るためのほとんど唯一といってもいい道具です」と小出義雄さんは著書『マラソンは毎日走っても完走できない』(角川SSC新書)でおっしゃっていますし、「シューズにだけは惜しまずに投資を」と金哲彦さんも監修された書籍『世界一の!「超楽」マラソン練習法』(大和書房)でおっしゃっています。

ケガの予防や目的達成に、自分に合った快適な履き心地のランニングシューズは欠かせません。

厚底シューズはレース用?トレーニング用? レース用と練習用を使い分けるべき? シューズを選ぶポイントは? 大きめサイズがいいって本当? 買い換えの目安は?

ランニングを始めたばかりの初心者の方に向けて、そんなシューズにまつわる疑問にお答えします。

この記事を書いている私は、サブ4、サブ3.5をアシックスのシューズで達成しました。

一番最近のレースでは、ナイキのズームフライ フライニットを履いて3時間39分でゴールしました。

スポンサーリンク

クッション性のいい厚底シューズはレース用? 練習用?

夫のランニングシューズ8足
夫のランニングシューズはアシックス5足、ナイキ2足、アディダス1足の計8足。黄色が多く、ブルーを処分したばかり

レース用と練習用を使い分け?

トップランナーの多くが、ランニングシューズをトレーニング内容など用途で使い分けているといわれています。

ランネットが「なんでもアンケート」でシューズをレース用と使い分けているかどうか市民ランナーに調査したところ、使い分けている派が54%と半数を超えたものの、練習もレースも同じものという人も半数近くいたそうです。

使い分けている派では、レースで何回か使用したものをいずれトレーニング用にする、という方が多かったようです。

私も以前は、レース用と練習用でシューズを分けていました。

走り始めたころ、クッション性と安定性のあるジョグ用と、それより若干軽くて反発感のあるスピード練習用の2足を揃え、スピード練習用を最初のフルマラソンのレース本番用に使いました。いずれもアシックスです。

4か月後の2回目のレースもそのシューズで走りました。

2回目のレースもスピード練習用のシューズ

その後は、日本人の足型にフィットしていると定評のある薄底軽量のターサーをレース専用に購入し、練習には使わずにとってありました。

川内優輝さんもレース用のシューズは履き慣らし程度で練習では履かず、レース当日までとってあると聞きましたし、岩本能史さんも新品を100kmほど走って自分の足に馴染ませたものがベストとおっしゃっています。

レースで使うのは厚底シューズ? 薄底シューズ?

いまや高いクッション性と反発力を得られる厚底のランニングシューズが主流となり、世界中のトップアスリートがナイキの厚底シューズをレース用に選ぶ新世代です。

走歴1年半でサブ3を達成した鈴木莉紗さんは著書『1日10分も走れなかった私がフルマラソンで3時間を切るためにしたこと』で、「フルマラソン用にはクッションのあるものを選びましょう」と勧めています。

私は10kmまでは底の薄い靴を、フルマラソンのときは速いタイムを狙っていても後半のダメージを考えて、クッションのあるものを履くようにしています。

『1日10分も走れなかった私がフルマラソンで3時間を切るためにしたこと』鈴木莉紗(カンゼン)

ひと昔前までは大手メーカーのフラッグシップモデルは薄底で、厚底シューズを履くべきなのは初心者というのが通説でした。

レース用は軽量で走りやすくスピードが出るけれど、クッション性やサポート性がなくて脚を傷めてしまうので、スピード練習では薄くて軽いシューズを履くプロの選手も、疲労抜きのジョグではクッション性が高くサポート力のあるシューズを選ぶなど、目的にあったシューズを履いているといわれていました。

毎日長い距離を走らなくてもマラソンは速くなる!』の著者である吉岡利貢さんは、厚すぎるクッション材はトレーニングの効果を殺ぐ側面があり、「歩行時の2〜3倍となる着地衝撃の吸収をシューズ任せにせず、自らの筋肉で受け止めることで、ランニングに必要な筋力が培われる」と指摘しています。

トレーニング時はソールが厚めのシューズで足を守りながらトレーニング量を増やし、本番ではソールが薄く軽いレース用シューズを履くランナーが多いようです。
けれど、本当は逆ではないでしょうか。
トレーニングの目的は体力や技術を成長させること。であるならば、足の保護を第一に考えるのではなく、薄いソールのシューズでカラダに適度な刺激を加えるべき。

『毎日長い距離を走らなくてもマラソンは速くなる!』吉岡利貢(SB新書)

そして、裸足ランや裸足感覚のサンダルによるランの発想もおそらく同じと語ります。

レースでは体力や技術の向上が主眼ではありません。
カラダへの負担をできる限り減らし、疲労を抑えてゴールするために、レースでこそトレーニング時よりもソールが厚く、着地衝撃から足を守るシューズを選ぶのが妥当です。

『毎日長い距離を走らなくてもマラソンは速くなる!』吉岡利貢(SB新書)

エリートランナーがレースで履くシューズはソールが薄く、練習用はソールが厚めという固定概念はすっかり変わりました。クッション性の高い厚底シューズも、反発力に優れ、軽量です。

鍛えるためのトレーニングなのに、クッション性の高いシューズに守られてばかりでは、逆にいつまでたっても走力が上がらないともいえます。

レースシューズはクッションがあってもいいけれど、必要以上にサポートしない軽量のシューズで練習する方が上達に繋がるという考え方です。

ベアフット・ランニングって?

ベアフット・ランニング(裸足ランニング)ができるワラーチが人気を呼んでいます。ワラーチは、メキシコ北西部のアメリカ州の先住民族タラウマラ族(ララムリ)が履いているサンダルです。走る民族と呼ばれるタラウマラ族の履物として、ワラーチが注目を浴びるようになりました。

ソールが薄く、着地時の衝撃が足裏から直に伝わるため、足本来の機能を活かして走ることで、故障しにくい走り方や走法を身に着けることができます。ただ、負荷が高いため、最初から普通のランニングシューズのように走ろうとすると怪我をするリスクが高まります。

ウォーキングから徐々に走る距離を伸ばし、足を慣らしていくことが大切です。

ワラーチよりもクッション性のあるベアフットシューズを最初に履いてみるのもお勧めです。脚の筋肉をバランスよく鍛えられます。

退化した足を甘やかさずに、段階を踏んで取り組めば効果が期待できそうです。

スポンサーリンク

ランニングシューズの選び方

アスリートクラブで足型を計測

専門店で正しく試着

ランニングシューズを購入するときは、専門知識を持つ店員さんのいるランニング専門店へ行くことをお勧めします。

選び方のポイントは厚底でも薄底でも変わりなく、デザインではなく機能に注目します。

両足でシューズを試着し、シューレースを締めすぎないように結びます。試着したら歩いたり、ジャンプしたりして履き心地を確かめましょう。余裕があり過ぎても、窮屈でもよくありません。

「サイズ」と「履き心地」の2つをチェックしなければなりません。(中略)
確認するのは横幅とつま先です。(中略)
靴下を履いてシューズの中でつま先を伸ばしても足の指が自由に動くくらい、先っぽに5ミリから7mの余裕があれば問題ありません。

『マラソンは毎日走っても完走できない』小出義雄(角川SSC新書)

「親指に1cm程度の余裕があり、左右がフィットするもの」(吉岡利貢さん)、「かかとがフィットし、一番長い足指とつま先に1cm程度のすきができるもの」(鈴木莉紗さん)と、ジャストサイズではなく、つま先とシューズの先端に余裕があることが大事です。

また、「ヒールカップがかかとをしっかりホールドしてくれるものを」と前出の書籍で小出義雄さんは述べています。「決め手はヒール。ヒールカップとかかと両側の間に指が入るようでは、着地時にシューズのなかで足がブレます」(岩本能史さん)。左右の締め付けが窮屈かなと思うくらいでちょうどいいそうです。

シューレースは細すぎない方が望ましく、午前中より、足がむくんできた夕方にフィットするシューズの方がいいそうです。

買い替え時期の目安

一般的に、ランニングシューズの買い替えのタイミングとなる累算走行距離は800~1000kmといわれています。約1,000km近くの耐久性をもっている製品が多いそうですが、おおよそ500〜600kmくらいを買い替えタイミングと考えるのがよいようです。

吉岡利貢さんは「累算走行距離500〜600kmを超えると本来の機能が発揮できなくなる」、岩本能史さんも「耐用距離は500〜600km」と著書『非常識マラソンメソッド』 (ソフトバンク新書)で述べています。

毎日10km走る人ならおよそ2か月で600km、2足を履き分けているなら4か月ほどです。月間走行距離150kmで2足を履き分けていれば、8か月という計算になります。

ただ、走行距離に関わらず、未使用でも3~4年経てばシューズの素材が劣化して、ソールが剥がれることもあります。

ランニングシューズではないのですが、高価な登山靴を久しぶりに履いたら、富士山の登山口でソールが剥がれ、レンタルした苦い思い出があります。

登山靴のソールが剥がれた!

肝心の本番のときに使い物にならないのでは意味がありません。大事にしまい込まず、劣化する前にどんどん履きましょう!

買い替えのタイミングはソールの状態からも判断できます。アウトソールのすり減りとミッドソールのクッション性の低下に気をつけましょう。

金哲彦さんは「ソールが傾くまですり減ったり、インナー(特に母子球〈足の親指の付け根〉の部分)が磨耗してきたら、故障を防ぐためにもそれ以上履くのは好ましくない」と『3時間台で完走するマラソン』(光文社新書)でおっしゃっています。

表面の生地(アッパー)や履き口などがほつれたり破れたりしていたら、処分しましょう。

レース会場で購入したGT-2000

この記事を書いたことで、もう寿命かも、と気づいた靴もあります。
次回、私のランニングシューズの購入履歴をお届けします!

まとめ

レース用と練習用のシューズを使い分ける必要はないけれど、レースのときは厚底にしろ、薄底にしろ、磨耗していない状態のシューズで走りましょう。

また、目的に応じて、シューズを何足か使い分け、脚にきちんと負荷をかけたトレーニングをすることも大事です。

最もシンプルな構成として、2種類で3足「①快適な厚底 ②快適な薄底 ③①と同じ厚底で100kmだけ走ったレース用」を用意して、2足を半年ほどで買い替えていくというプランもありかと思いますが、半年でチェンジというのはもったいない気もします。

走行距離などの諸条件から、買い替えのタイミングをはかりましょう。

ランニングシューズのAmazon売れ筋ランキングはこちら

タイトルとURLをコピーしました