湘南国際マラソンは500か所以上の給水ポイントでセルフ給水

湘南国際マラソンは「マイボトル・マラソン」へ マラソン大会
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12月6日に開催予定だった第15回湘南国際マラソンは、新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大の影響で、2021年2月28日に延期して「マイボトル・マラソン」を開催予定です。

エントリー開始日は9月5日。開催可否最終判断日の12月10日に中止決定の際は、参加料が返金されます。

この記事を書いている私は、2011年に第6回湘南国際マラソンでフルマラソンデビューを果たして以来、6回完走しています。

2019年12月1日の第14回湘南国際マラソンでは、サードベストの3:39:04でゴールしました。

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500か所以上の給水ポイントでセルフ給水

湘南国際マラソンは「マイボトル・マラソン」へ

湘南国際マラソン実行委員会は2020年8月4日(火)13時より記者発表会を行い、その様子がYouTubeでライブ中継されました。

3万本のペットボトルを削減

冒頭で、河野太郎大会名誉会長が「ゴミを出さない世界初のマイボトル・マラソン」への挑戦を宣言しました。

これまでの湘南国際マラソンでは、2万5,000人のランナーのために13か所の給水ポイントを設け、水とスポーツドリンクをあわせて3万1,500本のペットボトル、使い捨てカップ50万個を用意していたそうです。次の湘南国際マラソンは世界初の試みとして、給水所に使い捨てカップを置かず、参加ランナーは自分でマイボトル・マイカップを用意する方式になります。

水やスポーツドリンクはリターナブルなボトルやジャグ(給水器)に入れて500か所以上に用意し、ランナーに必要なときに給水してもらう方式にしてゴミを出さないとのこと。どのくらいの間隔でどこに設置するかは研究中だそうです。

ただのスポーツイベントで終わらせず、50トンの水やスポーツドリンクを給水できるようにして、災害時に地域に役立ててもらう新システムを構築します。この試みで二酸化炭素の排出量を約6トン削減でき、500mlのペットボトル17万本を作るのに必要な資源に該当するそうです(事務局試算)。

プラスティックフリーの試み

環境課題への取り組みとして、「プラスティック汚染の元凶はペットボトルのため、3万本のペットボトルを削減できる意義は大きい」と東京農工大の教授が語りました。

マイボトル自体もプラスティックではなく、できれば金属のものに変えていければと研究者サイドでは考えているそうです。

次亜塩素酸水で除菌

新しい時代のランナーポリシー、感染予防について、北海道大学名誉教授が話されました。

駅から会場までいかに密を避けるか、会場内でどう密を避けて手洗いを実行するか、コース上でもランナーがコロナ時代の原則をいかに応用していくかを具体的に考え、コロナの状況を見ながら新しい試みも含めて実践していきたいそうです。

例えば、会場への入場時とフィニッシュ時に全員に次亜塩素酸水溶液を用いて手指の除菌を行い、衛生を図りたいとのことでした。

環境配慮型のロードランニングへ

株式会社ゴールドウイン(GOLDWIN)の常務が、アウトドアブランドのノースフェイスが初めてロードランニングの大会の協賛をする思いについて話されました。

トレランではランナーがゴミを持ち帰り、出さないのがスタンダードであり、その経験を生かして、新たな環境配慮型のロードランニングの運営を提唱されたそうです。

ランナーが自立して完走するマラソン

新しい大会作りに向けて湘南国際マラソン大会事務局長が「プラスティックからの脱却、徹底的な防疫対策、給水をコンパクト化してボランティアの負担を軽減」を考え、「マイボトル・マラソン」に至ったという説明がされました。

これからのマラソン大会はランナー自身が自立して完走できるマラソンとして楽しむ時代になる、とのことでした。

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実際の給水方法など

記者会見での給水の実演

最後に、質疑応答となりました。

実際の給水方法は?

コース上にボランティアの方が出て、ランナーのボトルに直接注ぐサービスをするユニットなどもあるが、今回はコロナの事情で見送り、コース上に500か所並んでいるステンレスのジャグ(スポーツドリンク)3つと、リターナブルボトル(真水)5本のパターンから、ランナーはセルフで給水。スポーツドリンク以外のお楽しみのドリンクとして、麦茶やクエン酸ドリンクなども用意する予定。

実際の給水方法の実演が最後にあり、「ランナーは400ml以上の水分を携行した状態でスタート」するとのことでした。「ソフトボトルかカップを携行して走る」との説明でしたが、カップでは400ml以上の水分を持てないし、途中にゴミ箱がないので、小さいペットボトルとカップというわけにはいきません。

「給水ポイントで給水容器から自分で水を移し替え、水を補給したら携行して走り出します。ランナーは自分のタイミングでストレスなく給水できます」という説明でしたが、時間的なロスはそうとうありそうです。タイムをシビアに気にしたりせず、楽しく走る大会、ということでしょうか。

ホームページを確認したところ、「マイボトルとマイカップ、これが湘南国際マラソンの新ルール」とのことです。両方持つことが推奨されているのですね。

密をどう解決するか

2万人を切るフルマラソンランナーに対し、給水ポイントを500か所以上設け、蛇口の数として5,000以上用意することで、計算上は給水での「密」は避けられるはず。ランナーが1回利用するたびに、ボランティアが次亜塩素酸のスプレーを噴霧して消毒し、次のランナーが使う。

スタート前の「密」については、交通規制が許す限り、できるだけ時間を引き伸ばしてスタートさせたいと考えていて(これまでは25分)、制限人数も含めて検討中。

今後、毎年2月末に開催されるのか

今年だけのイレギュラーな措置で、通常は12月開催。

スポンサー変更の理由は?

ニューバランスからゴールドウインにスポンサーが変わったのは、長年スポンサーを務めてきたニューバランスの事情であり、新たな取り組みの大会だから意識的に変えたというわけではない。

まとめ

環境に配慮したプラスティックフリー、マイボトル・マラソンの説明に終始し、いかに密を避けるかの具体策は未定でした。

記者会見では参加人数についても検討中ということでしたが、更新されたホームページによると、エントリー開始日は9月5日なので、もう間もなくです。例年のようにエントリー日に定員に達するかもしれません。

開催可否判断日は12月10日(木)で、中止決定の際には参加料を返金してくれます(返金にかかる振り込み手数料は参加料より差し引き)。

フィニッシュ後に配布されていたペットボトルも全廃されます。

参加賞Tシャツはペットボトルリサイクルによる繊維を使ったTシャツになるそうです。

豪華だった大会プログラムはページ数を大幅に削減し、電子化。

新しい時代のランナーポリシー、マラソンボランティアポリシーを掲げ、新時代のマラソン大会を目指しているようです。

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