「初級者がサブ4を実現するのに参考になる本は?」「無理なくできるトレーニングメニューはあるかな」と思ったことはありませんか。
ランニングを始めたばかりの頃は、マラソン専門用語もちんぷんかんぷんで、サブ○○といった言葉の意味もわかりません。でも次第に、フルマラソン完走を目指すようになると、サブ5やサブ4といった目標を意識し始めます。
いろいろな書籍にトレーニングメニューはたくさん掲載されていますが、どれを選べばいいか、見当もつきません。
無理せずに練習を積み重ね、フルを3時間台で走りきれる脚にしたい……。
そんな願いを叶える、サブ4達成に役立つ初級者向けの書籍を3冊紹介します。
この記事を書いている私は、まったくの初心者の段階から金哲彦さん関連の著書に沿って走る準備をして、3か月の本格的なトレーニングを積み、フルマラソンでサブ4を実現しました。
2011年に47歳で達成して以来9年(13回)、サブ4を継続中です。
サブ4目標の初級者に役立つ練習本3冊+効くフレーズ7選
サブ4って何!? 『3時間台で完走するマラソン まずはウォーキングから』
著者の金哲彦さんは1964年生まれ。早稲田大学時代は箱根駅伝で山登りの5区を4年連続で担当。区間賞を2度獲得し、優勝に貢献されます。
リクルート入社後は別府大分毎日マラソンで3位入賞。現役引退後はリクルート陸上競技部監督を経て、市民ランナーからオリンピック選手まで、幅広いランナーから信頼されるカリスマコーチとして多忙な日々を送られています。
駅伝やマラソン中継放送の解説者としても活躍中です。
ランニングをし始めてすぐに読んだマラソン関連本、たかぎなおこさんのコミックエッセイ『マラソン1年生』 (メディアファクトリー)にプロフェッショナル・ランニングコーチとして登場したときから、憧れの存在。
『3時間台で完走するマラソン』(光文社新書)には、フルマラソンを完走するための知識やトレーニング理論がたくさん詰め込まれています。
走るのは苦手でしたが、マラソン=辛いというイメージが、正しいセオリーを知れば楽しさに変わるというのが嬉しいところ。
ウォーキングから始め、フルマラソン4時間切り(=「3時間台で完走」)に導く、未経験者に最適の入門書です。
努力と工夫次第で達成できるのがサブフォー 。市民ランナーの目標としてはちょうどいい。
『3時間台で完走するマラソン』金哲彦(光文社新書)
この本を読むことで、サブ4のハードルがグンと下がった気がして、フルマラソン完走の目標としてサブ4を意識しました。
ランニングのような激しい運動に本格的に取り組む前に、ウォーキングをしっかり行う期間をつくれば、基礎体力を高めながら無理なくランニングに移行できるようになるということで、私も走り始める前はずいぶん歩きました。
シューズやウエアなどのギアの選び方から良いフォーム、ウォーキングからジョギングへ、具体的なトレーニング方法など、生きた言葉が満載されています。
まだまだ先の話とわかっていても、レースマネジメントについて読むとドキドキします。
朝練習がダイエットによいことも解説され、有酸素運動の準備を整える注意点なども書かれています。
朝起きてからの適度なランニングは、体脂肪の燃焼に適している、というわけだ。
『3時間台で完走するマラソン』金哲彦(光文社新書)
正しいセオリーを知って、走って痩せて健康になる。ランニングライフにきっと役立つ本です。
ランニングの極意は「無駄をなくすこと」である。一流ランナーは、ランニングフォームの無駄もないが、体型にも無駄がない。
『3時間台で完走するマラソン』金哲彦(光文社新書)
金哲彦さんの著書は他にもいろいろ読みました! 以下の書籍も参考になりましたが、まず手始めに読むなら、『3時間台で完走するマラソン まずはウォーキングから』がお勧めです!
- 『からだが変わる体幹ウォーキング』(平凡社)
- 『「走る女」のランニングメニュー』(講談社)
- 『「体幹」ウォーキング』(講談社)
- 『金哲彦のウォーキング&スローラン みるみるカラダが変わる4ステップ』(高橋書店)
- 『ランニング・スタート・ブック(趣味の教科書)』(ランニング・スタイル編集部(著)、金哲彦(監修)、エイ出版社)
お気楽サブ4! 『世界一の!「超楽」マラソン練習法 ド素人でも4か月で4時間が切れるスゴ技40』
著者の小谷和彦さんは多忙を極めるTBS制作局チーフプロデューサー。1963年生まれ、私より1歳年上です。
6時間でゴールしたホノルルマラソンから一気に記録を縮め、4か月後にサブ4を達成した秘訣を素人目線で解説します。そのコツを指導されるのが、監修の金哲彦さん。
『世界一の!「超楽」マラソン練習法』(大和書房)のカバーの折り返しにある「まずはチェック!」という10個の項目に、4個以上当てはまれば本書を心からおすすめと書かれています。どれ、とは言いませんが、私はほとんど該当しました。
- どちらかといえば運動は苦手
- 「走る」なんてツライだけだ
- でも一生に一度ぐらいはフルマラソンを走ってみたい
- 走るなら、苦しまずに走りたい
- しかも、欲張りなことに「3時間台のタイムを出したい」
- でも、練習時間は多く取れない
- おまけにスパルタ練習なんて絶対いやだ!
- カッコよくゴールして、同僚や家族、恋人に見直されたい!
- 結果、自分の中で自信を取り戻したい
- 「この年齢からだって進化できる!」という証が欲しい
ランニングの本は何冊も読んでいますが、ストイックなスポ根向きの内容ではないところが目を引きました。
「たとえ誰かに自慢したいという程度の動機でも」、陸上経験のないサボり屋のまったくのど素人がサブ4を実現したのですから、読む前から希望が湧きます。靴選びなどは専門家に任せて、できるだけ楽に要領よくという姿勢にも共感できます。
実際にこの本の事前準備に沿って、神田のアスリートクラブという専門店でランニングシューズを2足選んでもらい、インソール(中敷き)もオーダーしました。
アスリートクラブではそのあとも、ランニングシューズの調整やメンテナンス、新しいシューズの購入など、とてもお世話になりました。残念ながらいまは神田にはなく、札幌にあります。
貧血についても詳しく書かれていて、私も貧血がひどかったので鉄分をサプリでとりました。
また、スクワットなどのお手軽な補完運動も始めました。
金さんの助言に従って、より良い姿勢を維持してくれるリーボックの機能性ウエアなども購入しました。「TAIKAN」というシリーズのウエアで、当時はずいぶん高かった印象がありますが、いまはもう売っていないようです。
ウエアやグッズなどのほか、本書で紹介されていたレース用のパワーテープ なども揃えました。
この本はとても実践的で、トレーニングメニューも参考になります。
ゴールしたあとのケアなど、役に立つマラソンのコツがたくさん書かれています。
何より気持ちが楽になるので、読んでみることをお勧めします。
「正しいフォームこそサブ4の特効薬」で紹介されている「速く、疲れない」フォーム、わかりやすいので実行してみてください。
前脚の真上に上半身,ヘソ下を反る“ピョン吉”腰高フォーム、やや前のめり、骨盤を回転、ひじを背骨側に引く。
『世界一の!「超楽」マラソン練習法』小谷和彦(大和書房)
サブ4達成! 『金哲彦のマラソン練習法がわかる本』
初めてのフルマラソンのレースまで3か月、サブ4達成に向けて本格的なトレーニングを開始しようと選んだのは、『金哲彦のマラソン練習法がわかる本』(実業之日本社)に掲載されていた「目指せ、サブ4」の練習メニュー。
金さんの『3時間台で完走するマラソン』を読んで、サブ4を達成できる! と思えたため、実際のトレーニングも金さん方式を採用することにしました。
ただ漠然と距離を走る努力をするだけではダメで、頭とデータをフル活用して、自分の身体を最高の状態につくり上げる道案内が、トレーニングメニューなのだ。
『金哲彦のマラソン練習法がわかる本』金哲彦(実業之日本社)
ただ距離を走っても、単調な練習を繰り返しても、闇雲に練習してもタイムを伸ばせません。もっと楽に、ケガも少なく、効果的な練習メニューが必要なのです。
本書では、ウォーキング、ジョギング、LSD、レースペース走、WS、ビルドアップ走、坂ダッシュ、クロスカントリー、インターバル走、休養という基礎的なトレーニング方法が解説されています。
そして、初級者(フルマラソン初挑戦)・中級者(4時間前後)・上級者(3時間前後)のレベル別に99日間にわたるトレーニングメニューが公開され、毎日どんな練習をすべきかがクリアにわかります。
トレーニングは、破壊と再構築の繰り返しである。
『金哲彦のマラソン練習法がわかる本』金哲彦(実業之日本社)
筋肉痛が生じるほどの負荷をかけたあと、少し休むと筋肉は回復して以前より強くなるため、トレーニングと休養のバランスコントロールも大事なポイントです。
「ノンフィクション」ストーリーや時間がない人のための「最短1カ月メニュー」も掲載されていますが、最も重要なのはレベル別のトレーニングメニューです。
初級者にはアレンジなどは無理ですから、日付を書き込み、愚直にこなしていきましょう。
このメニュー通りに3か月取り組んで、2011年11月に47歳でサブ4デビューを果たせました。
マラソンにフロック(まぐれあたり)はない。(中略)
『金哲彦のマラソン練習法がわかる本』金哲彦(実業之日本社)
マラソンは、自分と向き合うシンプルなスポーツなのだ。長丁場を走りながら頼れるのは、自分の脚と心臓、そしてあきらめない心。(中略)
大切なのは、どれだけしっかりとしたトレーニングを積み上げ、心と身体が準備できたかということだ。
まとめ
3冊とも金哲彦さん関連の書籍です。
書籍でも十分、刺激を受けて、サブ4を達成できました。
金哲彦さんに直接指導していただきたくて、白樺リゾート 池の平ホテルのランニングキャンプにも参加しています。
テレビなどで見た印象そのままの気さくなお人柄で、自分への的確な指導のみならず、他のランナーへのアドバイスも役に立ちます。