ランニングを始めたくなる本3冊+がんばれるフレーズ9選

思わずランニングを始めたくなる本3冊 ランニング全般
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「走って何が楽しいの?」「フルマラソンって誰にでも完走できるものなのかな」、そんな風に思ったことはありませんか。

走ることの楽しさや辛さは、走ってみて初めてわかるもの。頭で考えていてもわかりません。

思いきって走り始めてみましょう。マラソンのエッセイや挑戦ルポなどを読むと、走ることへのためらいや不安を解消してくれ、次のステップへと促してくれます。

他の人がどんなふうに走り始めたか、レースにどうチャレンジしているかを知ると、モチベーションが上がり、やる気がグングン湧いてきます。

ランニングの魅力を存分に伝えてくれ、「走り出してみようかな」と新しい世界への扉を開いてくれる書籍を3冊紹介します。

この記事を書いている私は、『マラソン1年生』でランニングの楽しさに目覚め、『金哲彦のマラソン練習法がわかる本』のトレーニングメニューでフルマラソンサブ4デビューしました!

ランの書籍に大いに刺激をもらって、いまもサブ4で走っています。

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思わずランニングを始めたくなる本3冊+今日もがんばれるフレーズ7選

思わずランニングを始めたくなる本3冊

走るのって楽しい!『マラソン1年生』

たかぎなおこさんのコミックエッセイ 『マラソン1年生』(メディアファクトリー)

たかぎなおこさんのコミックエッセイ 『マラソン1年生』(メディアファクトリー)に出会ったのは2011年6月。

走り始めた頃に、地元のジョギング教室の参加者が貸してくれました。「完走」が無理でも、楽しく制限時間内の「完歩」を目指したいなあと思っていた気持ちにぴったりでした。

日常生活で走るのは電車に乗り遅れそうなときだけというお気楽イラストレイターのたかぎさんが、お友だちののりこさんと、走るためのウエアやシューズを買うところから始まり、ホノルルマラソン完走までの道のりが描かれています。

たかぎなおこさんは累計発行部数160万部を超える人気イラストレーターで、2020年2月に発刊された『おかあさんライフ。』(メディアファクトリー)がいま話題をよんでいます。

40代にして結婚・出産した、あたふたな育児ライフをつづったコミックエッセイで、発売2か月で発行部数6万部と、コミックエッセイとしては異例のヒットを記録しています。

作品に共通するのは等身大な姿勢が共感を呼ぶということ。

『おかあさんライフ。』がテレビで紹介されたとき、「なるべく愚痴っぽいことは描かないでおこうと思っている」と、たかぎさんがコメントを出されていたのが印象的でした。悪口をいわない、人のせいにしない、といった姿勢に共感を持てます。

『マラソン1年生』が発刊されたのは2009年。そうとう昔の本で、情報としては古いものもありますが(NIKE+のシューズに取り付ける計測センサー、以前は私も愛用していました!)、懐かしい気持ちになれます。

最初に『マラソン1年生』を読んだときは走るモチベーションがぐっとあがり、朝10km走って、毎日よく歩きました。

手書きのコメントつきの写真がふんだんで、いま読んでも楽しく、心がポカポカします。

この本から学んだことはたくさんあります。

まず、なんといっても、要所要所に登場する金哲彦さんのランニングアドバイスが参考になります。早い段階でプロにフォームチェックをしてもらいたい気持ちになります。

金哲彦さんのパーソナル指導が魅力のランニングキャンプ
「ランニングフォームをプロにチェックしてもらいたい」「自己流のトレーニングでいいのかな」、そう感じたことはありませんか。ランニングについてのさまざまな疑問を解決してくれるのが、金哲彦さんが指導されるランニングキャンプ。その魅力を紹介します。

グルメランと旅ランが楽しそうで、こんな世界があるんだなあとワクワクします。観光気分のご当地ランを私も始めました。

「歯をみがくときは、かかとを上下させなければならない、などの自分ルール」を私も設定し、実践しました。

続編の『マラソン2年生』(メディアファクトリー)では、完走ではなくサブ5を目標に、たかぎさんが走ります。新たな要素として駅伝も登場します。ラン仲間が増えて賑やかになり、こちらもおすすめです。

よれよれ走ってる私に向かって
声を掛けてくれる人もいたりして…

不思議なもんで
こういうときでも笑ってみると…
なんだかちょっと体が
ラクになるような気がします

『マラソン1年生』たかぎなおこ(メディアファクトリー)

ハウツーを超えたおもしろさ『走る奴なんて馬鹿だと思ってた』

『走る奴なんて馬鹿だと思ってた』 (山と渓谷社)

インスタのpostを見て購入した本です。

「走る奴なんて馬鹿だ」と、まさしく私もそう思っていました。馬鹿というより、暇だなあと。テニスのような楽しさもなさそうだし、スキーのような爽快感もなさそうだし、苦しいだけなのになぜ走るのかなと。もちろん偏見です。

『走る奴なんて馬鹿だと思ってた』 (山と渓谷社) は、雑誌『Tarzan』の連載が単行本になったもの。読んでみて、共感することしきり、です。

著者の松久淳さんは、2010年「第13回みうらじゅん賞」を受賞した1968年生まれの作家。運動とはまったく無縁、文化系&夜型生活を極めていましたが、45歳にしてマラソンにハマります。

自律神経失調症克服と腰痛予防のために走り始めた松久さんが2年後に横浜マラソンを4時間23分で完走するまでのランライフと、その後のレース結果が描かれます(最後のおかやまマラソンは49歳で4時間3分)。

私の方が4歳年上ですが、年齢が比較的近く、マラソンを始めた年齢も似たようなものです(私は47歳)。文化系完全夜型生活も、禁煙して体重が増えたことも一緒です。

走ってみたら50mで足がもつれて100mも走れない。そこで奮起しないでやめたのも、わー、同じ! とびっくり。

私の場合はおねしょではなく、ラジオ体操すらできない! と愕然としたのが走り出したきっかけのひとつですけど。

おもしろくて、一気に読了しました。

マニアな性質が功を奏して、ラン用アプリの結果見たさにエブリデイランナーになり、ルートアレンジをし始め、徐々にグッズも揃え、煩悩を抱えながら走る松久さん。

故障しても走りたい欲求に駆られるランナー体質になってしまった松久さんは、リハビリランを続けます。

最初から走ることが大好きな人や走る才能がある人向けの立派なランニングノウハウ本とは違い、軽く楽しく読めるお気楽な笑えるエッセイです。

好きなときに好きなだけ、気の向くままに一人で走る楽しさを伝えてくれて、今日も走ろうと元気が出ます。

ただ走る。疲れるのに走る。時間を取られるのに走る。汗臭くなるのに走る。

ただそれだけで、もはや走ることには目的も結果もない。効用や成果すらすでになくなっている。走りたいという欲求ももはやないのに、それでも当たり前のように走っている気がする。ただたんに、やめられない。

『走る奴なんて馬鹿だと思ってた』 松久淳(山と渓谷社)

痺れるフレーズがいっぱい! 『走って、悩んで、見つけたこと。』

大迫傑さん初の著書『走って、悩んで、見つけたこと。』(文藝春秋)

大迫傑さん初の著書『走って、悩んで、見つけたこと。』(文藝春秋)には、印象的なフレーズがたくさんあります。

カバーの折り返しに書かれた言葉からして、かっこいいの一言です。

常に一人の時間を大切にして
走り続けることで、
答えはいつも見つかっている気がする。

『走って、悩んで、見つけたこと。』大迫傑(文藝春秋)

大迫さんは、悩みはすべて走ることで解決してきたといいます。走っている間は、自分自身とじっくりと向き合え、答えを見つけられるのだと。

大迫さんは東京都出身の28歳、早大時代に箱根駅伝で活躍。2017年にボストンで初マラソンに挑んで3位。2018年10月のシカゴで2時間5分50秒の3位となり日本記録保持者になりました。

新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、一般ランナー抜きで実施された2020年3月1日の東京マラソン。

大迫さんは自身の日本記録を21秒更新し、2時間5分29秒の日本新記録を出しました。昨年9月のマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)で3位になってから約6か月、圧倒的な強さをみせつけたことになります。

大迫傑さんの有言実行には痺れました! テレビの前で声を上げて応援し、ゴール後のインタビューでこみあげた涙にも感動。

著書に「きついと感じたときは頭と体を別々に考える。きついと感じるのは脳だから、きつさを冷静に分析すると意外に対応できる」というくだりがあって、ラスト5kmはまさに自分自身を超える挑戦だったんだろうなと感じました。

著書によると、大迫さんは1日10時間ぐらい寝るようにしているそうです。ということは、そんなに早起きしないんだろうなあと思うと、なかなか朝ランに切り替えられない私にはちょっと嬉しかったりして。

プロは眠ることも仕事のひとつ、ハードなトレーニングで日々クタクタなんでしょうね。

Q&Aコーナーで「走るのって何が楽しいのと聞かれると答えに困ります」という質問に対する答えが素敵です。

「じゃあ走ってみればいいじゃん」と答えてみてください。そこで、「きついし、嫌だよ」って言われたら、「じゃあ多分、分からないよ」って言えばいい(笑)。

『走って、悩んで、見つけたこと。』大迫傑(文藝春秋)

また、「練習したくない日があるか」という問いへは「したい、したくないではなくて、必要か必要じゃないかで考えています」と答えています。

「モチベーションは保つものではなくて、日々湧いてくるもの、見出すもの」というのも印象的な言葉です。走り終わってアイスを食べたい、とか、そんな小さなことでいいのかも。

他にも、素敵なフレーズがたくさん散りばめられていて、選べないほどです。この本を読むと心が強くなる気がします。

マラソンはレースで得るものよりもトレーニング期間で少しずつ気づいていくものが多い気がします。それは一瞬一瞬、ひとつひとつのピースを大事にしていくということ。あまり遠くを見すぎず、着実にひとつずつパズルのピースをはめていくイメージです。その日その日をちゃんと消化すること。

『走って、悩んで、見つけたこと。』大迫傑(文藝春秋)

自分がやるべきことをすべてやっているので、スタートラインに立ったときはいい意味で開き直った状態です。レースが良くても悪くても、ここまで妥協なくやってこれたというスタートラインに立った達成感があるんです。(中略)不安も少しはありますが、それよりも楽しみの方が大きい。

『走って、悩んで、見つけたこと。』大迫傑(文藝春秋)

マラソンを始めてから知ったのは、どんなに長くてもゴールはちゃんとあるんだなということ。そして走ったあとの達成感は他の競技とは違うと感じています。

『走って、悩んで、見つけたこと。』大迫傑(文藝春秋)

やらない理由というのは探さなくても簡単に見つかるものです。だから僕はやらない理由よりもやるべき理由を常に探して積み重ねています。(中略)やらなければ後悔するだけ。

『走って、悩んで、見つけたこと。』大迫傑(文藝春秋)

僕は基本的に自分に対しても誰かに対しても言い訳をすることが嫌いです。言い訳をしてよくなるということは絶対にないと確信しているからです。

『走って、悩んで、見つけたこと。』大迫傑(文藝春秋)

意志を持って「今」を積み重ね、どんな結果も受け止めて言い訳をしないこと。

マラソン日本記録保持者の大迫さんが教えてくれる走ることの孤独と喜び。

葛藤から生まれたストイックな思考法が詰まった1冊です。

まとめ

おもしろいなと惹かれた本は、いつになってもおもしろいと気づかされます。

素敵だなあと思うフレーズは書き留めておくといいですね。あとになって、そのときにどういう状況におかれていたか、自分が何を感じていたかを思い出せるかもしれません。

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