いつかはひとり箱根駅伝をしたいと思うようになったのは、箱根駅伝を舞台にした三浦しをんさんの青春長編『風が強く吹いている』を読んでから。
バーチャルレースが相次ぐ10月に、シカゴマラソン バーチャルエクスペリエンスを利用して、友人と一緒にひとり箱根駅伝に挑戦することにしました。
この記事を書いている私は、走り始めて1年でサブ3.5を達成した2012年11月のレースの1週間後、箱根旅行で5区の小涌谷から芦ノ湖まで往復16kmを走ってみたことがあります。
その後、『風が強く吹いている』を読んだことをきっかけに、箱根駅伝区間を走ってみようかなという気になりました。
ひとり箱根駅伝1区でバーチャルシカゴハーフマラソン
箱根駅伝は、国道1号線をメインに、東京都千代田区大手町・読売新聞東京本社ビル前から、鶴見、戸塚、平塚、小田原の各中継所を通って、神奈川県足柄下郡箱根町・芦ノ湖まで往路5区間(107.5Km)、復路5区間(109.6Km)の合計10区間(217.1Km)で競う、学生長距離界最長の駅伝競走です。
2011年にランニングを始めるまで、箱根駅伝にはまるで興味がなかったので、まさかそのコースを走ることになるとは思ってもみませんでした。
シカゴマラソンのバーチャルレース
シカゴマラソン バーチャルエクスペリエンスは、10月5日(月)から11日(日)の1週間。
登録したランナーは誰でも、レースウィークのいつでも、選択した距離(1マイル、5K、8K、ハーフマラソン)に無料で参加できます。
私はフルマラソンを含め、すべてのレースにエントリーしました。
そこで、ハーフマラソンで箱根駅伝1区を走り、フルマラソンで2・3区を走ろうと思いつきました。残る4・5区は、ニューヨークシティマラソンのフルで走るつもりです。
すでに3区まで走っていた大学時代の友人が、1区からつきあってくれることになりました。
ひとり箱根駅伝の落とし穴
ひとり箱根駅伝、いざ実践しようと思うと、ゴールした後のことを考えて準備しなければなりません。
スタート地点とゴール地点の場所が違うということは、走り終えてお風呂に入ったり着替えたりして電車に乗って帰るためには、目的地の最寄駅に先に荷物を置いておかなければなりません。そして、走る格好をしてスタート地点に行くことになります。
電車ではなく車だとしても、目的地に先に車をおいて、走る格好で電車に乗り、移動する必要があります。
あるいは、スタート地点近くに荷物を置いてゴールした後にそのままの状態で電車で戻るか、荷物を全部持って走るか。
けっこう面倒だということがやってみて初めてわかりました。
スタート地点・大手町の読売新聞本社前〜5km
スタート地点は大手町なので、横浜に9時に集合してロッカーに荷物を預け、電車で東京駅に移動します。
ゴールの鶴見中継所から最寄駅の鶴見市場まではわずか200m、3分です。
ゴール後は鶴見市場から横浜まで電車で移動し、荷物をピックアップして横浜のスカイスパで汗を流して疲れを癒し、祝杯をあげる予定です。
東京駅から大手町の読売新聞本社前まで歩くと、歴代優勝校のプレートが飾られています。
「箱根駅伝の歴史」や……、
「大手町と箱根駅伝」についてのプレートもあります。
絆の銅像前で記念撮影。
スタートラインを探してぐるっと本社の周囲を歩き、発見しました。
各中継所の案内とともに歌川広重の風景版画「東海道五十三次」も展示されています。
鶴見中継所から始まり、
箱根の山を越えると、
「箱根折り返し地点」。
1区には、スタート直後の最初の左折を先頭で駆け抜けたものが1区を制するというジンクスがあるそうです。
スタートラインがビルの陰のためか、GPSをなかなか補足しません。国道1号まで出てなんとか補足し、スタートラインにそっと戻って、走り始めました。
スタート直後、最初の信号に引っかかりました。その後も次々、信号で足止めされます。
外堀通りを超える西新橋の交差点あたりから人の数が増え、走りにくくなりました。
東京タワーの見える御成門の交差点で写真撮影。
最初は信号待ちで休めていいなと思っていたけれど、すべての信号で足止めされると、さすがにペースが乗らないというか、走る気が失せるというか……。
増上寺を右手に見ながら三田駅あたりで5km。15号線に入ります。
5〜10km
札の辻の交差点まで左側を走っていたため、歩道橋を渡ることに。ここで道路の右側に移動しました。
品川駅前では道路の右側を走っていたけれど、また歩道橋を渡ることになりました。左側なら、そのまま駅前をフラットに通過できたのに残念。
その先の八ツ山橋でJRと京急の両方の線路を越えてしまい、すでにこのコースを走っている友人が道を間違えたとすぐに気づいてくれて引き返しました。
JRの線路だけ越えて、京急の線路を左に見ながら走ります。
北品川を過ぎ、新馬場駅あたりで9kmです。
みずほ銀行が多いなあと思いながら走って青物横丁駅で10km、半分弱です。
10〜15km
その後も京急線に沿って走り、南大井歩道橋で京急線を跨ぎます。
京急線を今度は右に見ながら走り、14Kmを過ぎた大森警察署前の交差点で左側の131号線に進みそうになりました。友人が教えてくれて、道路を横断して、二又を右の15号線に進みます。
15Kmを過ぎた梅屋敷駅あたりでスポーツドリンクを買って小休止しました。
15km〜ゴール
冷たい飲み物でリフレッシュして残り5km、六郷土手から多摩川を渡ります。
神奈川県川崎市に入った!
多摩川土手の緑が目に気持ちよく、川を風が吹き渡ります。
友人から、あと1kmくらいと励まされてからが長く、道を間違えたのかなあと心配になりました。
3時間近くかかって、ようやく鶴見中継所の銅像地点でゴール!
道を間違えたりしたので、21.3kmではなく、1kmほど余分の22.13km、タイムは2:56:19、ペースはなんとキロ7’58”でした。
冷たい飲み物を一気飲みして鶴見市場駅まで歩き、そこから電車で23分、横浜駅まで戻りました。
友人の携帯の電源が切れて、ロッカーから荷物が取り出せないというハプニングも忘れがたい思い出になりました。
スカイビル14階のスカイスパでさっぱり。
メキシコ料理で乾杯! 楽しい1日になりました。
まとめ
信号で止まりながらゆっくり走ればダメージはないのかと思っていましたが、けっこう辛い。
普段のレースならハーフは2時間かからないくらいですが、今回は3時間。
バーチャルシカゴのフルマラソンで2・3区、ニューヨークシティマラソンのフルで4・5区を走ろうと予定していますが、フルの距離を倍の6時間で走れる気が全然しません。
どうなることやら、ちょっと心配です。
でも、自分が実際に箱根駅伝コースを走った後では、いままでとは全く違う感慨を持って箱根駅伝を見ることは間違いありません! いまからすごく楽しみです。