足首が硬いといわれたことはありませんか。
足首の柔軟性が上がると、着地の衝撃を柔らかく吸収でき、膝や股関節の可動域も広くなり、捻挫やケガの予防につながります。
60代で世界初のサブスリーを達成した女性ランナーはストレッチボードで毎朝「歯磨き3分ストレッチ」をして体をケアしていらっしゃるそうです。
縄跳びよりもさらにお手軽なストレッチボードを手に入れて、日々の習慣にしましょう。
この記事を書いている私は、フルマラソンデビュー後9年間、サブ4を継続しています。
足首の硬さを改善して、傾斜30度のストレッチボードですっくと立てるようになることを目指します。
ストレッチボードの魅力と効果
ストレッチボードは足を乗せるだけのシンプルな台状の健康器具です。
ただ立つだけなので、ケガの心配がありません。傾斜角度を変えられる商品が多く、自重で無理なくストレッチできるという手軽さが人気の理由です。
コンパクトなので軽くて持ち運びが楽、スペースもとりません。
以前は価格が高いという印象もありましたが、いまは2,000円台のものもあり、リーズナブルです。
脚のむくみを解消
脚には全身の筋肉の3分の2が集中し、脚の筋肉を動かすミルキングアクションと呼ばれる機能が、血液を循環させるという心臓の働きを助けています。筋肉の収縮、弛緩を繰り返すことで血管を圧迫し、血流をスムーズにしているのです。
ふくらはぎの筋肉がよく動くと血液の流れもよくなるため、ふくらはぎは第2の心臓といわれます。
ストレッチボードに乗っているだけでふくらはぎの筋肉が伸ばされて、脚のむくみがスッキリします。スポーツなどで足がつる方にも効果的です。
脚の筋肉を長時間動かさず、血液が滞って血行が悪い状態では脚のポンプ作用が弱まり、むくみや冷え、代謝の低下などを招きやすくなります。
心臓に負担がかかって高血圧の原因になります。
足首の柔軟性向上、ケガ予防
かかとを床につけたまましゃがんで膝を抱えられないと、足首が硬いといわれます。
ただ、しゃがむだけなら私もできますが、膝を抱えようとすると後ろに傾いてしまいます。かかとが浮いてしまう人も足首が硬い傾向にあります。
体の土台となる足首が硬く、足関節の可動域が狭くて動きが悪いと、脚全体の柔軟性が損なわれ、膝や股関節に悪影響が出る場合もあります。
足首はふくらはぎの筋肉とつながっているため、ストレッチボードでしっかりとほぐすことで全身の血流がよくなります。運動能力がアップし、パフォーマンスに差が出ます。
血行促進、冷え症緩和など
ストレッチボードで膝裏のリンパ腺を伸ばすことで、血行がよくなり、冷え性が緩和されます。
背筋が伸びて姿勢がよくなり、体の歪みも矯正されます。
肩こりや腰痛にも効果があり、インナーマッスルも鍛えられます。O脚、X脚も改善できます。
60代で世界初のサブ3を達成した女性ランナーが愛用
ストレッチボードとの出会い
2011年6月28日、初フルマラソンの4か月ほど前に、初めて自分の足のサイズにあったランニングシューズを買いに行った「アスリートクラブ神田」で、ストレッチボードを初めて見ました。
ランニングシューズを買うのに足のサイズだけではなく、足首の柔らかさも測定します。
測定といっても、足首に力を入れてグーっと曲げてみて角度を測ってもらいます。
足型のプリントの右下に記入された測定結果は「右10°左12°」。
ランナーは「15〜20°」は曲がった方がいいいそうで、「18°以上曲げられるといいですね」とアドバイス。
そのときに、ストレッチボードを買おうかと思いましたが、価格が確か7,000円くらい。ただの板に7,000円!? と思った覚えがあります。
多分、そういうリアクションの人が多いのか、お店では、「段差に乗って負荷をかけたり、前屈やストレッチで柔軟性を高めるように」と教えていただきました。
そこで、トレーニングの前後に、申し訳程度に縁石に乗って、足&脚をケアしました。
足首が硬すぎる!
初フルマラソンをサブ4で走ることができ、次のレースに向けてシューズの調整をお願いしに「アスリートクラブ神田」を再訪したのは2012年2月18日。足首の柔軟性は当然高まっていると思ったのに、左4°右5°という衝撃の結果でした。
「歩10°ラン15°」と書かれているのは、せめて歩くのに必要な角度だけでも確保するように、ということだったと思います。
足首を柔らかく、といっても、足首をぐるぐる回したりはしません。
以前、お会いしたウォーキングの専門家に、「足首は回してはいけない」と教わりました。「立っているとき、歩いているとき、日常生活のなかで足首は回さないもの。逆に回ってしまったときは捻挫したときなので、回さないのが自然です」という言葉に説得力があると感じたからです。
足首は回さないけれど、上手に動かす方法があり、お風呂に入ったときには湯船のなかで足指を回したりしています。
60代サブ3女性ランナーが「歯磨き3分ストレッチ」
足首が硬いまま放置していたのに、なぜ、ストレッチボード熱が再燃したかというと、理由があります。
昨年12月のさいたま国際マラソンで、2時間56分54秒という記録で女子60代マスターズ世界記録を更新された61歳の弓削田(ゆげた)眞理子さんがストレッチボードを愛用していらっしゃると知ったのです。
弓削田さんが一昨年の2018年に下関海響マラソンで、60歳以上の女性として世界初のサブスリー(2時間59分15秒)を達成された後、「世界初! 60代女子サブスリー驚異の素顔」と、ランネットで取材されていました。
その映像のなかで、「疲労のケアは?」という質問に、「朝はストレッチボード」と答えていらっしゃいます。
「1分間でもいいけど、これに乗っかって歯を磨いているんですよ」
最初は膝が曲がってお尻が出っ張り、「くの字」になっている姿勢が、歯を磨いている3分でまっすぐになるそうです。
ちなみに、弓削田さん愛用の「アスリートクラブ スリムボード」は、私が一番最初に「アスリートクラブ神田」で見かけたものでした。
ながら運動でいいなんて!
実は私は筋トレが大の苦手。
歯磨きしながらスクワット、サウナで人がいないときだけプランクと、その程度ならする気になれるのですが、たとえば腹筋だけに集中して時間を使うのはもったいない気がしてしまうのです。
なので、「ストレッチボードをやりたい!」と思った一番のポイントは、「ながら運動」ができることでした。
いまは歯磨きをしながら朝晩50回の緩いスクワットをしているので、お風呂上がりにドライヤーを使いながら利用してみたい! と、さっそく購入しました。
リーズナブルなタイプを購入
私が購入した「La-VIE(ラヴィ) ストレッチボード のびちゃん」は、価格2,800円です。
傾斜角度を15・25・35度の3段階に調節でき、自分に合った角度で無理なく行えます。足つぼを刺激する突起も付いています。
ふくらはぎと足首のストレッチだけではなく、本体を裏返せば、背中のストレッチにも使えます。
本体サイズは幅29cm×奥行33cm×高さ11cm(使用時の高さ12cm~19cm)とコンパクトで、置く場所に困りません。
重量は約1kgと軽量なので簡単に持ち運べ、洗面所や書斎と好きな場所で気軽に使えます。耐荷重は約80kg、材質は抗菌素材のポリエチレンです。
実際に使ってみると
まずストレッチボードの傾斜角度を調節します。最初から35度に乗ろうとすると、ふくらはぎがギューっとひきつれた感じでまっすぐ立てないので、25度から始めます。
ストレッチボードに乗る前に足を曲げないで前屈してみました。指先と床の距離は13cmくらいあり、まったく手が地面につきません。
体を後ろに曲げるのは得意で、昔はブリッジをして起き上がることもできたのですが、前には全然曲がりません。
お尻を突き出さないように1分間まっすぐ立ってから、反動をつけずに息を吐きながら前屈し、元に戻ります。
3分ほど経過し、ストレッチボードをおりて前屈してみると床との距離は6cmでした。
短時間でも、しっかりストレッチできているようです。
「椅子に腰掛けて行う場合」も箱に書いてありますが、負荷をかけにくいのでので、効果が薄い気がします。
ずっと座り仕事をしている合間に少しだけ乗って疲れをリフレッシュしたり、お風呂上りなど身体が温まった状態で使用したりするのがよさそうです。
「無理な運動は思わぬ事故を引き起こすおそれがありますので、自分の体力にあった運動を行ってください」と注意書きがあるのですが、よく見ないでかかと側を思いきり踏んづけたら、つま先側が反転してきて、弁慶の泣き所に大きなコブができました。
無理な運動をしたわけではありませんが、思わぬ事故が起こりました。よく見て乗りましょう。
まとめ
最初はキツくても、毎日3分使うことで徐々に慣れて、急な傾斜角度でも使えるようになりそうです。1回に長い時間をかけなくていいのが嬉しい!
ドライヤーをかけながら毎日続けて、しばらくしたら足首と体の柔軟性を測定してみようと思います。