ボストンマラソンにエントリーし終えたら、あとはただレースを待つだけ……ではありません。
承認記録の更新を促してくれたり、トレーニングプランを公開してくれたり、主催団体のBoston Athletic Association=ボストンアスレチックアソシエーション(BAA)はとても手厚くレースの参加者をフォローしてくれます。
こういったサービスも、歴史と伝統あるボストンマラソンならではだなと感じましたので、時系列にお伝えします。
次にレースに参加しようかなと考えている方の参考になれば幸いです。
さらに、新型コロナウイルス (COVID-19)感染拡大への真摯な対応に、「ボストンストロング」の不屈の精神を感じて心を打たれました。
この記事を書いている私は、世界6大マラソン完走を目指し、まずはボストンマラソンに挑戦する予定です。新型コロナウイルスの影響でレースは4月20日から9月14日に延期になりました。
ボストンマラソンエントリー後の流れ
ニュースレターの配信
9月中旬にボストンマラソンにエントリーした後、登録しているメールアドレスにボストンアスレチックアソシエーションからニュースレターが頻繁に届きます。
これがけっこう楽しくて見逃せません。
10月のメールにはコースやツアーの案内、ボストンマラソン公式グッズの販売などが書かれていて、気分がグッと盛り上がりました。
FacebookやTwitter、Instagramでボストンマラソンをフォローするように書かれていますので、いつも利用しているInstagramでフォローしました。
11月になると、11月下旬に始まる20週間のボストンマラソントレーニングプランも公開されます。
週に4日トレーニングするレベル1から週に6〜7日のレベル4まで、レベルは4段階。ただし、距離はマイル表示です。
12月には、個人のアカウントを作成できるようになります。please click hereをクリックすると、アカウント作成画面になります。
BAAアカウントで、レース履歴の表示、個人情報や予選タイムの更新などが行えます。
承認記録のアップデート
ボストンマラソン登録申請時よりも速い記録を達成した場合、タイムを申告して認められれば再登録してもらえます。提出の締め切りは2020年2月1日土曜日の午後5時(現地時間)です。
私は福岡マラソンの3:48:37で申請していましたが、12月1日の湘南国際マラソンの記録が3:39:04でしたので、記録証が家に届くのを待って英文をつけました。
申請のときはデータで加工しましたが、今回はアナログ形式で英訳を切り貼りしました。
1月7日に予選情報の更新リクエストを送ったところ、1月11日に承認メールが届きました。
この記録をもとに、ゼッケン番号やレースのスタート時刻、ブロックが決まります。
1月15日からは5kmレースの募集も始まります。55USDドル(6,000円前後)で半袖Tシャツとメダルをもらえます。
16日の深夜0時に夫とエントリーし、17日にふたりとも承認されました。
レース前後の無料パーティ案内
2月になると、ボストンマラソンプレレースディナーとポストレースパーティーについての案内が届きます。
2020ボストンマラソンの参加者は全員、この両方に無料で参加でき、家族や友人のために追加のチケットを購入できます。
プレレースディナーはレース前日の4月19日午後4時〜8時にボストン市庁舎で開催されるもので、時間を予約する必要があります。
レース後のパーティは4月20日(月)午後6:30〜10:00で、ボストン・レッドソックスの本拠地であるフェンウェイ・パークがランナーに開放されます。
前日は「2020ボストンマラソンVIPホテルパッケージ」のプレレースパスタディナーがあるし、ランナー以外は30USDドルと有料なので、どうしようかなと迷ってサイトを検索しました。
プレレースディナーは3種類ほどのパスタとサラダ、無料のビールが楽しめるようですが、予約をしていてもボストン市庁舎をぐるっと1周するくらいの長い列に30分〜1時間ほど並んで待つ必要があるようです。
また、完走者のためのレース後のお祝いパーティではフェンウェイパークに入れますが、飲み物や食べ物が提供されるわけではないそうです。実はレースの翌日にレッドソックス戦の観戦チケットを予約していたので、フェンウェイパークに入るだけなら夫の30USDドルを払う価値があるか微妙です。
当日の状況次第で決められるように、無料の私の分だけどちらも予約しておきました。参加したくなったら、その場で夫の分を払う作戦です(できるかわかりませんが)。
3月4日には「ボストンマラソンまで7週間を切ったので、参加者ガイドを含む重要な情報が郵送されます」とアナウンスがありました。
ボストンマラソン参加者ガイドには、レースの週末イベントからギアチェックや交通機関の詳細などの幅広い情報が含まれているそうです。
3月下旬にゼッケン番号とウェーブ/コラールの割り当て開始、4月上旬に番号の受け取り方法と重要なレース情報がメールで送信されるはずだったのですが、事態が急変するのは3月13日です。
新型コロナウイルス (COVID-19)への対応
124年の歴史で初めて大会を延期
3月13日、新型コロナウイルス (COVID-19)感染拡大の影響で、ボストンマラソンが9月14日に延期されることがボストンアスレチックアソシエーションから発表されました。
3月19日の朝、ボストンアスレチックアソシエーションからメールが届きました。
すべての公式登録者は延期されたレースに参加できるとした上で、9月に参加できない可能性のある人へのオプションを慎重に検討しているそうです。そのために全参加予定者から参加できるかどうかのデータを収集するとのこと。
「すべての人に公平になることを目標に、できるだけ早く問題に対処することをお約束します」と書かれています。
問い合わせ専用のアドレスも用意され、さすがに国際レースは違うと、真摯な対応に感謝の気持ちが湧いてきます。
暑いなかで走るのは苦手ですが、サブ4を狙えずにファンランになるとしても、9月に走ろうかという気持ちになってきました。参加の意思は3月31日までに返信する必要があり、飛行機をキャンセルできない関係もあり、「参加する」と返事をしました。
すぐに確認のメールが届きました。
フルマラソン・5kmとも返金可能
4月2日はボストンアスレチックアソシエーションからのメールで目覚めました。
9月14日に参加できない人は5月29日までにリクエストすれば参加料を払い戻ししてくれるそうです。
「9月14日の開催実現に向けて懸命に取り組んでいるけれど、COVID-19のために不可能になる可能性について、状況を監視し、判断する」ということにも触れられていました。
フルの2日前に開催される5kmレースについても同様に不参加者には返金されるとのこと。
中止ではなく延期、参加できない人には参加料の払い戻しを決めたボストンアスレチックアソシエーションの誇りと底力を感じます。
まとめ
参加者3万人を42km先のスタート地点へバスで運ぶという力技もすごいですが、ボストンアスレチックアソシエーションからひんぱんに送られてくるニュースレターに、「決して安くはない255USDドル(28,000円前後)という参加料に対して、レース参加者の満足度をさらにアップさせるようなサービスを提供してくれるんだなあ」と感じていました。
伝統あるボストンマラソンは新型コロナウイルス (COVID-19)への対応もレベルが違います。
5名が死亡、299名が負傷する大惨事だった2013年のボストンマラソン爆弾テロ事件。そこから生まれた「ボストン ストロング」(ボストンよ、強くあれ)の精神が私のようなマラソンビギナーにも伝わった気がします。